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診療科・部門
臨床工学室
臨床工学室
臨床工学技士とは
CE:Clinical Engineer
臨床工学技士とは、医療機器の専門医療職です。
病院内で、医師・看護師や各種の医療技術者とチームを組んで生命維持管理装置の操作などを担当しています。
医療機器が何時でも安心して使用できるように保守・点検を行っており、安全性確保と有効性維持に貢献しています。
臨床工学室のスタッフ構成
臨床工学技士長:1名
主任臨床工学技士:1名
臨床工学技士:8名
合計:10名(男性:7名 女性:3名)
呼吸治療業務
人工呼吸器とは十分な呼吸が出来ない患者さんに装着し、呼吸の補助・代行を行います。
人工呼吸器は、手術室や救命センター・ICU(集中治療室)のほか、病棟などで広く使用されています。臨床工学技士は装置に異常が無いか、安全に使用されているかなど、毎日点検をしています。また、人工呼吸器の保守・管理等も行っています。
RST(Respiratory Support Team)の一員として他職種と連携することで、どの病棟で使用していても安全に適切な治療が出来る様に、治療計画の見直し等も行っています。
装置
人工呼吸器:31台
マスク換気専用機:5台
ハイフローセラピー専用機:14台
血液浄化業務
体内に貯まった老廃物などを排泄あるいは代謝する機能が働かなくなった場合に行う治療です。血液透析療法、血漿交換療法、血液吸着法など様々な血液浄化療法が存在します。臨床工学技士は穿刺や治療中の患者さんのチェックや血液浄化装置の操作や点検を行っています。
装置
個人用透析装置:3台
血液浄化装置:3台
血液成分分離装置:1台
治療内容
HD/HDF
CRRT
PE/HA/PA/DFPP等のアフェレシス療法
CART(腹水濾過濃縮再静注法)
PBSCH(末梢血幹細胞採取)
補助循環装置業務
補助循環装置とは、薬物投与など内科的治療では改善されない重篤な心肺機能不全の患者に対して一時的に心臓ポンプ機能(循環)と肺の機能(呼吸)を代行する装置です。
臨床工学技士は、患者さんの状態を把握し、常に最適な治療を行えるように医師や看護師と連携して装置の操作等を行っています。
装置
IABP装置:3台
ECMO装置:2台
手術室業務
手術室には、大小合わせて多岐にわたる医療機器が数多く存在します。手術が円滑かつ安全に行われるように臨床工学技士は、医療機器の操作や事前の管理を行っています。
心臓血管手術では、心臓や肺に代わる働きをする人工心肺装置を操作・管理します。その装置の周辺には多くの医療機器が同時に使われ、一部の機器を臨床工学技士が操作しています。
ロボット手術では、内視鏡手術用支援ロボットを使用する上での介助と安全に運用できるようにしています。
自己血回収術では、手術中に失った血液を回収して、再び患者へ投与できるように機器を操作して血液を洗浄します。
その他にも、電気メスやACT測定装置、内視鏡装置、麻酔器等に不具合があった際は対応します。
対応手術
ロボット手術(前立腺切除、膀胱切除、尿管切除、腎腫瘍切除、直腸切除等)
自己血回収術(大腿頸部骨折に対する観血的固定術、腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術、大動脈弁置換術等)
心臓血管外科手術(大動脈弁置換術、大動脈弓部置換術等)
装置
内視鏡手術用支援ロボット:1台
自己血回収装置:2台
人工心肺装置:1台
心血管カテーテル業務
心臓カテーテル検査は、細い管(カテーテル)を手首や肘、足の付け根の動脈もしくは静脈から心臓まで持っていき、造影剤を注入することで冠動脈の画像を撮影や、心臓や肺動脈の圧力測定を行う検査です。冠動脈に狭窄があれば冠動脈に特殊な風船やステント付きの風船を挿入して拡張し血管を広げる治療が行われます。
臨床工学技士は、心電図の測定や心臓の中の圧力を測定できるポリグラフ装置、冠動脈の中に2mmほどの超音波プローブを入れることで冠動脈内の超音波画像を表示させる血管内超音波装置(IVUS)、動脈硬化を起こした冠動脈内にダイヤモンド粒子が先端に埋め込まれた細いドリルを高速回転させて削るローターブレーターなど多くの機器を操作します。
ペースメーカー業務
ペースメーカーとは、心臓のリズムが不整になってしまった患者さんの心臓に人工的な電気刺激を加え、正常なリズムで心臓を拍動させる装置です。電気刺激を発生させる本体と心臓に刺激を伝えるリード線で構成されています。リード線のない一体型のペースメーカーもあります。
臨床工学技士は、機器が設定通り動いているかペースメーカーチェック外来を行っています。専用のプログラマを使用し、心臓への電気刺激は適切か、電池の残量やペースメーカーリード線の抵抗値を確認し、必要な場合は医師の指示の下、機器の設定を変更します。また、手術やMRI撮像の際にも安全に動作出来る様に設定変更を行います。
医療機器管理業務
臨床工学技士は、いろいろな部署で使用している医療機器を一元管理し、適切な運用と性能維持ができるように保守・点検を行っています。
ドクターヘリに搭載している医療機器も安全に使用できるように、定期的に点検を実施しています。
87種類、1468台の医療機器を管理しています。
医療機器の取扱い方法等の教育
臨床工学技士は、医療機器を安全に使用できるよう看護師等の新人スタッフの医療機器の取扱い説明会や新規医療機器の取扱い方法等の研修を定期的に実施しています。
また、要望があった際には随時研修等を実施しています。