薬剤部

薬剤部の紹介

 国立病院機構水戸医療センター薬剤部は、患者さんの目線に立って、安心・安全で質の高い医療を多職種が連携して提供するとともに、地域での信頼を高めることに積極的に取り組んでいます。
 薬剤部の主な業務は、調剤業務、注射後有無、抗がん薬無菌調製業務、製剤業務、薬剤管理指導業務、多職種で取り組む外来業務やチーム医療(感染管理チーム、栄養サポートチーム、緩和ケアチーム、褥瘡チーム)であり、地域医療に貢献できるよう努めています。

調剤業務

 平成9年10月から国の方針により、外来患者さんのお薬は全面的に院外処方となり、一部の患者さん(院内製剤や治験薬を含む処方)を除き、院外の保険薬局でお薬を受け取っていただくようになりました。安心・安全な薬物療法を受けられるよう保険薬局と日々連携をしています。平成28年3月に電子カルテが導入され、医師・看護師をはじめ多職種とスムーズな情報共有を図れるようになり、オーダリングシステムと合わせてより効率的な業務を行えるようになりました。医師の同意のもとに、医薬品に関する説明等を行い、患者さんが安心して薬物治療を受けられるよう日々研鑽を積んでいます。

調剤業務 調剤業務

注射業務

 医師の注射処方箋に基づき、複数の薬剤師で医薬品の投与方法や投与量、投与速度、配合変化等を十分に確認し病棟や外来へ払い出しています。また当院ではアンプルピッカー(注射薬自動払出システム)により、効率的に医薬品の取り揃えを行っています。

抗がん薬無菌調製業務

 外来治療センターや病棟で投与される抗がん薬については、薬剤師が安全キャビネット内で無菌的に調製しています。また医師による調製確定指示後には、薬剤師も採血結果を確認し、安全に治療ができるよう支援しています。

製剤業務

 臨床現場でのニーズに応じて、手術・検査・治療で使用する医薬品を薬の専門家として医療の質を高めるべく薬剤師が院内製剤として調製している業務の一つです。
例:薬剤アレルギー検査のパッチテスト、硝子体手術時の内境界膜の染色液 等

医薬品情報業務

 医薬品が適正に使用されるように、医薬品に関する副作用や相互作用などの様々な情報を収集・整理して、医師・看護師などの医療スタッフに情報を提供しています。また、製薬会社から医薬品の供給状況に関する情報を収集し、患者さんに必要な医薬品を提供できるよう努めています。

医薬品情報業務 医薬品情報業務

薬剤管理指導業務

 当院では救命救急センターを含むすべての病棟に専任の薬剤師を配置しています。患者さんが入院した際は薬剤師が持参薬の鑑別を行い、入院中に開始となった医薬品の説明や薬効評価、副作用確認等行い、患者さんの適正な薬物療法に関わっています。

チーム医療

(1)感染管理チーム(ICT)・抗菌薬適正使用支援チーム(AST)

 当院では薬剤師が中心となり抗菌薬の管理を行い、適正使用推進に努めています。ASTラウンドは週1回行っており、多職種と連携し抗菌薬の使用について病棟担当薬剤師や医師へ情報提供しています。また診療科別に抗菌薬の使用推移のデータを抽出し、毎月動向をモニタリングしています。ICT活動は手指衛生のレクチャーや携帯用アルコール消毒の集計を薬剤部内でも行っています。

(2)栄養サポートチーム(NST)

 週2回の栄養状態や嚥下機能の改善について、チームとして多職種カンファレンスや回診を行っています。薬剤師は主に医薬品の粉砕や簡易懸濁の可否について、薬剤の特徴を踏まえて情報提供を行っています。

(3)緩和ケアチーム(PCT)

 週1回の多職種カンファレンスおよび回診を行っています。薬剤師は医療用麻薬を中心とした医薬品の適正使用に努めて、チームに情報提供するとともに、病棟担当薬剤師と連携をとって薬物療法をサポートしています。

(4)褥瘡チーム(PCT)

 安静状態が長く続くと、お尻やかかとの皮膚に褥瘡(=床ずれ)が出来ることがあります。褥瘡対策チームでは、多職種で構成されそれぞれの専門性を活かして活動しています。薬剤師は、褥瘡に対して薬剤の適性や使用方法を情報提供し治療効果の向上に努めています。

保険調剤薬局の皆様へ

 当院では、外来患者さんのお薬については、原則として院外処方箋を発行しています。院外処方箋に処方できる薬は、薬剤委員会で承認された薬のみとなっております。ご理解の上、処方箋に従って調剤をお願いいたします。
保険調剤薬局からの疑義照会については、
薬剤部FAX番号: 029-240-7798
へお願いします。処方医に確認後、電話にてお返事いたします。

*NEW
吸入指導 報告書
 喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用される吸入薬は、正確で安全な吸入方法を取得することで、有効な治療効果が得られます。
 当院では、保険薬局と連携して、正しい吸入療法を支援する取り組みの一環として、吸入指導の報告書を保健薬局より受領しています。以下の貢から「吸入指導 報告書」をダウンロード可能です。ご活用ください。
吸入指導 報告書
吸入指導 報告書
報告書は、当院「地域医療連携センター」まで FAX にて 029-240-7795 へ提出をお願いいたします。

がん化学療法レジメンの公開

がん化学療法委員会にて承認されたレジメンの一部を公開しています。地域の保険薬局向けに、より質の高い医療を提供するために公開しており、その他の目的での用途は想定していません。レジメンの内容については患者さんの状態等によって変更となることがありますので注意してください。

呼吸器
がん種 レジメン名
小細胞 AMR
NGT
イミフィンジレジメン Durvalumab+CDDP+VP-16
Durvalumab+CBDCA+VP-16
テセントリクレジメン Atezolizumab+CBDCA+VP-16(初回)
非小細胞 CDDP Pembrolizumab+CDDP+PEM
CBDCA+ CBDCA+Nab-PTX(入院)
Pembrolizumab+CBDCA+Nab-PTX
Atezolizumab+CBDCA+Nab-PTX(初回)
Bev+ CBDCA
ベース
Atezolizumab+Bev+CBDCA+PTX(初回用)
 (Bev90分,Atezolizumab60分)
オプジーボ
ヤーボイ
併用療法
CBDCA+ Nivolumab+Ipilimumab+CBDCA+PEM(初回)
Nivolumab+Ipilimumab+CBDCA+PTX(初回)
乳腺
がん種 レジメン名
EC EC療法
dose-dense EC療法
FEC FEC
FEC(プロイメンド)
DOC±HER DOC
Eribulin±HER Eribulin
Eribulin(Bi-weekly)
HP+ HP+DOC(初回用)(HER90分)
HP+DOC(HER30分)
HP+VNR(初回用)(HER90分)
HP+VNR(HER30分)
HP+Eribulin(初回用)(HER90分)
HP+Eribulin(HER30分)
消化器
がん種 レジメン名





大腸癌
FOLFOX
Bev+FOLFOX(初回用)(Bev90分)
Bev+FOLFOX(Bev60分)
Bev+FOLFOX(Bev30分)
sLV5-FU2(5-FU・l-LV)
Bev+sLV5-FU2(初回用)(Bev90分)
Bev+sLV5-FU2(Bev60分)
Bev+sLV5-FU2(Bev30分)
FOLFIRI
Bev+FOLFIRI(初回用)(Bev90分)
Bev+FOLFIRI(Bev60分)
Bev+FOLFIRI(Bev30分)
XELOX
Bev+XELOX(初回用)(Bev90分)
Bev+XELOX(Bev60分)
Bev+XELOX(Bev30分)
SOX
Bev+SOX(初回用)(Bev90分)
Bev+SOX(Bev60分)
Bev+SOX(Bev30分)
IRIS(TS-1・2投2休)
SIR(TS-1・2投1休)
Bev+SIR(TS-1・2投1休)(初回用)(Bev90分)
Bev+SIR(TS-1・2投1休)(Bev60分)
Bev+SIR(TS-1・2投1休)(Bev30分)
Cetu(初回用)(Cetu120分)
Cetu(Cetu60分)
Cetu+FOLFIRI(初回用)(Cetu day1 120分)
Cetu+FOLFIRI(Cetu60分)
Cetu+CPT-11(Cetu120分)
Cetu+CPT-11(Cetu60分)
Pani
Pani+CPT-11
Pani+FOLFOX
Pani+FOLFIRI
Cape+Bev(初回用)(Bev90分)
Cape+Bev(Bev60分)
Cape+Bev(Bev30分)
FOLFOXIRI
FOLFOXIRI+Bev(初回用)(Bev90分)
FOLFOXIRI+Bev(Bev60分)
FOLFOXIRI+Bev(Bev30分)
RAM+FOLFIRI(初回用)
RAM+FOLFIRI(初回用RAM60分)
RAM+FOLFIRI(2回目以降)
ザルトラップ+FOLFIRI
Bev+TAS-102初回用(Bev day1 90分-day15 60分)
Bev+TAS-102(Bev30分)
Cetu+FOLFOX(初回用)(Cetu day1 120分)
Cetu+FOLFOX(Cetu60分)
Bev+XELIRI(初回用)(Bev90分)
Bev+XELIRI(Bev60分)
Bev+XELIRI(Bev30分)
RAM+FOLFIRI(2回目以降RAM30分)
Cetu+Encorafenib+Binimetinib(初回用)(Cetu120分)
Cetu+Encorafenib+Binimetinib(Cetu60分)
Cetu+Encorafenib(初回用)(Cetu120分)
Cetu+Encorafenib(Cetu60分)
Nivolumab+Ipilimumab MSI-High大腸がん
MSI-High大腸癌Nivolumab 2週
MSI-High大腸癌Nivolumab 4週
Bev+IRIS初回用(Bev day1 90分-day15 60分)(TS-1:2投2休)
Bev+IRIS2回目以降(TS-1:2投2休)
HP(初回用)(HER90分)
HP(HER30分)
肛門癌 FU+MMC(放射線併用)




胃癌
MTX・5-FU
XELOX
胃癌 Nivolumab
胃癌 Nivolumab 4週
胃癌 エンハーツ初回
胃癌 エンハーツ2回目以降
胃癌 Nivolumab+SOX
胃癌 Nivolumab+XELOX
胃癌 Nivolumab+FOLFOX
SP±HER SP
SP(プロイメンド)
SP3+HER(プロイメンド)(初回用)(HER90分)
SP3+HER(プロイメンド)(HER30分)
XP±HER XP
XP+HER(初回用)(HER90分)
XP+HER(HER30分)
XP+HER(CDDPなし)(HER初回量90分)
XP+HER(CDDPなし)(HER30分)
PTX±HER weekly PTX
w-PTX+HER(初回用)(HER day1 90分)(HER day1,22)
w-PTX+HER Aコース(HER day15)
w-PTX+HER Bコース(HER day8)
FP±HER FP(プロイメンド)
FP+HER(プロイメンド)(初回用)(HER90分)
FP+HER(プロイメンド)(HER30分)
RAM+ RAM(1クール目RAM初回60分)
RAM+PTX(1クール目RAM初回60分)
RAM+Nab-PTX D法(1クール目RAM初回60分)
RAM(2クール目以降RAM30分)
RAM+PTX(2クール目以降RAM30分)
RAM+Nab-PTX D法(2クール目以降RAM30分)
DOC+ DOC
TS-1+DOC(TS-1 2投1休)
CPT-11+ CPT-11
CPT-11+CDDP
Nab-PTX Nab-PTX A法(Tri-weekly)
Nab-PTX D法(weekly)
SOX±HER SOX
SOX+HER(初回用)(HER90分)
SOX+HER(HER30分)
5FU・l-LV
±HER
FU・l-LV
FU・l-LV(初回用)(HER day1 90分)(HER day1,22,43)
FU・l-LV Aコース(HER day8,29,50)
FU・l-LV Bコース(HER day15,36)
FU・l-LV Cコース(HER day1,22,43)99
肝・胆・膵癌 肝細胞癌 RAM初回用(RAM60分)肝細胞癌
Atezolizlumab+Bev肝細胞癌初回
Atezolizlumab+Bev肝細胞癌2回目
Atezolizlumab+Bev肝細胞癌3回目以降
RAM2回目以降(RAM30分)肝細胞癌
胆道癌 GEM
GEM+CDDP
GPS
膵癌 GEM
GEM(放射線併用)
FOLFIRINOX
Nab-PTX+GEM
オニバイド
食道癌 FP(放射線併用)
FP
FP(プロイメンド)
DOC
NDP+5-FU
NDP+5-FU(プロイメンド)
weekly PTX(6投2休)
weekly PTX(3投1休)
Nivolumab
Pembrolizumab
Pembrolizumab 6週
Nivolumab 4週
FP+Pembrolizumab
FP+Pembrolizumab(プロイメンド)
術前DCF療法
術前DCF療法(プロイメンド)
神経内分泌癌
原発不明癌
低分化型
神経内分泌癌
CDDP+CPT-11
CDDP+VP-16
CBDCA+VP-16
原発不明癌 CBDCA+DOC
血液内科
がん種 レジメン名
白血病 AML ベネトクラクス AZA(静注)+ベネトクラクス(外来用)ヘパロック無
CLL CLL R-トレアキシン療法
CLL リツキサン療法
MDS ビダーザ静注療法
ビダーザ皮下注療法
ビダーザ静注療法(ヘパロック付き)
ビダーザ静注療法(ポート用)
多発性骨髄腫 weeklyベルケイド皮下注療法
KRD療法 1サイクル目
KRD療法 2~12サイクル目
KRD療法 13~18サイクル目
ERD(1サイクル目)
ERD(2サイクル目)
ERD(3サイクル目以降)
CBD療法(ベルケイド週1回)
VRD療法(ベルケイド週1回)
MPB療法(ベルケイド週1回)
KD(1サイクル目)
KD(2サイクル目以降)
CBD療法(ベルケイド週2回)
MPB療法(ベルケイド週2回)(サイクル1~4)
MPB療法(ベルケイド週2回)(サイクル5~9)
DLd(1サイクル目)
DLd(2サイクル目)
DLd(3~6サイクル目)
悪性リンパ腫 ホジキン
リンパ腫
アドセトリス療法
Pembrolizumab
A+AVD療法
非ホジキン
リンパ腫
ガザイバ ガザイバ-トレアキシン療法(2クール目以降)
ガザイバ維持療法
THP-CVP R(90min)-THP-CVP療法(PSL点滴)
トレアキシン R-トレアキシン療法 2回目以降90mg/㎡
プラチナ製剤を含むレジメン R(90min)-GCD AUC5療法
ポライビー ポライビー+R-トレアキシン療法 2回目以降
 (85kg未満の患者)
R(90min)-CHOP療法(PSL点滴) R(90min)-CHOP療法(PSL点滴)
NK/T細胞性リンパ腫 A+CHP療法(PSL点滴)
PTCL アドセトリス療法
キャッスルマン病 アクテムラ療法
耳鼻科
がん種 レジメン名
w-PTX+Cetu(初回用)(Cetu120分)
w-PTX+Cetu(Cetu60分)
FP+Cetu(Cetu60分)
Nivolumab
CDDP(100mg)(放射線併用)
FP+Pembrolizumab
泌尿器
がん種 レジメン名
尿路上皮癌 GC
dd-MVAC
Gカルボ21
GC 21days
前立腺癌 DOC
ジェブタナ(外来用)
精巣癌 BEP
腎細胞癌 Nivolumab+Ipilimumab
Pembrolizumab+Axitinib
Avelumab+Axitinib
Pembrolizumab 3週+Lenbatinib
脳神経外科
がん種 レジメン名
悪性神経膠芽腫 初発TMZ単独
初発TMZ(放射線併用)(1週目)
初発TMZ(放射線併用)(2週目以降)

レジメン等に関する問い合わせ先

 個人情報を含まないレジメン等に関するご質問・お問い合わせにつきましては以下までお願いします。

 問い合わせ先: 薬剤部
 200-yakuzai@mail.hosp.go.jp

がん治療におけるトレーシングレポート報告について

 保険薬局にて、情報提供が望ましいと判断された内容についてはFAXにて指定のトレーシングレポートの送信をお願いします。薬剤部にて内容を確認後、主治医等と情報を共有させていただきます。なお疑義照会・緊急性が高い情報提供についてはこちらでは受付できませんのでご了承ください。

・トレーシングレポート(ExcelPDF)
・FAX番号:029-240-7798

研修会の案内

 連携充実加算に係る研修会を下記日程で予定しています。

 開催日: 2024年12月13日(金) 19:00~20:45(予定)
     詳細についてはこちらをご確認ください。

MR(医薬情報担当者)の方へ

  • 薬剤部長との面会は、業務の都合上、月曜日~金曜日の15:30~17:15の間にお願いいたします。
    (会議等で不在の場合もありますので、事前にご連絡いただければ確実です。)
  • 医薬品情報の提供につきましても、原則として、上記時間帯に薬剤部長が承ります。
  • 薬剤部への出入りは、業務用出入口を使用してください。
  • なお、緊急の連絡等で上記以外の時間に面会する必要がある場合は、お薬窓口でその旨を部員にお伝えください。
  • 医師との面談等について
    当院では、医師との面談は、原則として、外来棟3階の「面談コーナー」で行うこととしております。
    最近、外来の患者待合等で医師を待っているMR(医薬情報担当者)さんが見受けられるようですので、医師との面談はルールどおり「面談コーナー」で行うようにして下さい。もし、そのような場面を見かけられた時には、お互いに注意喚起していただければ幸いです。
    なお、「面談コーナー」は、MR(医薬情報担当者)さん同士の打合せ等にお使いいただいてかまいません。