倫理審査委員会

倫理審査委員会 平成23年09月14日(水)

審議内容

申請者 手術室看護師 木植 益弘
課 題 手術器械拭きガーゼの適切な交換時期の検討
-時間経過に伴う器械拭きガーゼと器械出し看護師が交換時期と考えるガーゼの細菌検査から-
研究の概要 1.手術器械拭きガーゼの使用時間毎の細菌数の変化からその汚染状況を調べる
2.器械出し看護師が交換時期と考えた手術器械拭きガーゼの細菌数からその汚染状況を調べる
3.手術器械拭きガーゼの交換時期を検討する
判 定 承認
本審査は、全員一致で承認された。
申請者 3階東病棟看護師 田中 由紀子
課 題 心臓外科手術患者が術前説明に際して疑問を残さないための援助方法の検討
研究の概要 当病棟では、月に2~3件心臓外科手術を行っている。手術適応の患者に対し、外来にて手術の経過説明はされるが、手術内容や経過、合併症、リスクについての詳細な説明は入院後手術の2~5日前に行われている。看護師からの術前オリエンテーションは術前説明後手術の3日前に実施している。術前説明時に医師から詳しく説明を受けたことで、手術への恐怖・不安が強くなったと訴える患者がいる。また術前説明に同席していると、患者は一方的に説明を受けることが多く、医師へ疑問を表出することが少ない。患者によっては疑問を解決しないまま手術に臨んでいる現状が考えられる。
現在、看護師は入院から術前説明までの間、不安や疑問内容は確認しているが、疑問の内容を明確化し共有することが出来ていない。
そこで、患者と共に事前に疑問内容を整理して術前説明に臨む方法を試み、患者が解決した疑問・解決しなかった疑問・新たに浮かんだ疑問の内容について、従来の方法で術前説明を受けた患者と比較し、術前説明時の看護の有効性を明らかにする。
判 定 承認
本審査は、全員一致で承認された。
申請者 3階東病棟看護師 小林 三紀恵
課 題 心臓カテーテル検査時の恐怖・圧迫感を軽減させるための言葉掛けのタイミングの検討
研究の概要 心臓カテーテル検査(以下、心カテとする)は、機械類や多くの医療従事者に囲まれて行われる。患者は狭い検査台の上に移動し、検査中は透視の機械が胸の上まで接近する。心カテを経験した患者からは「機械が思ったより近くまでくるからびっくりした」「緊張した」「検査が終わるまで不安だった」といった声が聞かれ、検査中に何か起こるのではないかという恐怖や圧迫感を感じる患者も少なくない。
しかし、この検査環境を変えることはできないため、看護師の言葉掛けによって患者の恐怖心・圧迫感を最小限にする関わりが求められる。実際は検査介助に集中してしまうことが多く、短い検査時間内では最低限(検査開始時・ニトロペン舌下時・患者が動きそうな時・検査終了時)の言葉掛けで終わってしまうことが多い。また、検査介助に就く看護師は、当日初めて患者に関わることがほとんどであるため、疾患・年齢・性別については把握できているが。患者の内面についての把握ができておらず、患者個人に合わせた言葉掛けのタイミングが図りにくい。
検査中は、実際に患者に触れることは困難であるため言葉掛けをして対応しなければならない。先行研究では言葉掛けを行うことで不安が軽減できることは明らかにされている。しかしどのようなタイミングで言葉掛けを行うことが効果的かは明らかにされていない。そのため、患者が恐怖心・圧迫感を感じるタイミングで看護師が言葉掛けをすることで、恐怖心・圧迫感の軽減に繋がるのか明らかにする。
判 定 承認
本審査は、全員一致で承認された。
申請者 血液内科医長 米野 琢哉
課 題 JALSG参加施設に新たに発生する全AML,全MDS,全CMML症例を対象とした5年生存率に関する観察研究(前向き臨床観察研究)
研究の概要  国内急性骨髄性白血病(AML)および骨髄異形成症候群(MDS)、慢性単球性白血病(CMML)の5年生存率、ならびに新規薬剤レナリドミドと脱メチル化薬の実施状況を明らかにする。
判 定 承認
本審査は、全員一致で承認された。
申請者 血液内科医長 米野 琢哉
課 題 多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植後にレナリドミドを用いた維持療法の安全性の検討
研究の概要  多発性骨髄腫は難治性の造血器悪性腫瘍であり、65歳未満の患者であれば自家造血幹細胞移植併用大量化学療法が施行される。自家造血幹細胞移植後で40-50%の患者が完全寛解に至るものの、最終的には殆どの症例が再発する。このため、移植後にさまざまな維持療法が試みられているが、標準となる治療法は確立されていない。近年、海外の臨床試験においてレナリドミドによる維持療法が有効であるとの報告がされているが、日本人に対して、維持治療として実施した場合のレナリドミド投与量は確立されていない。レナリドミドは、最大25mg/日の投与が承認されているが、血球減少の副作用も多く、内服量は患者により様々である。そのため、今回移植後にレナリドミドの長期間投与可能な用量を明らかにする事を目的とした臨床試験を計画した。10mgの用量より試験を開始し、移植後維持治療として実施した場合の至適用量を探索する。
判 定 承認
本審査は、全員一致で承認された。
申請者 血液内科医長 米野 琢哉
課 題 多発性骨髄腫患者におけるサイトカイン、血管新生因子プロファイル変動の網羅的解析研究(「多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植後にレナリドミドを用いた維持療法の安全性の検討」の附随研究)
研究の概要 「多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植後にレナリドミドを用いた維持療法の安全性の検討」に登録された症例を対象として、レナリドミド投与に伴うサイトカインおよび血管新生因子の変動を網羅的に解析し、レナリドミドの作用機序を明らかにする。測定するサイトカイン、血管新生因子については、研究計画書3ページに明記。
判 定 承認
本審査は、全員一致で承認された。
申請者 統括診療部長 山口 高史
課 題 天然型 IFNα (NAMALWA) の長期投与による肝発がん抑制の有用性に関する研究
研究の概要 ウイルス排除(治癒)を目的としたIFN治療後に継続してnIFNα少量長期投与を行い、経過観察症例を対象に、発がん抑制効果と副作用について比較検討する。
判 定 承認
本審査は、全員一致で承認された。