倫理審査委員会

倫理審査委員会 平成30年11月14日(水)

審議内容

申請者 企画課 岩崎 桂介
課 題 院内がん登録を活用した胸膜プラークをもつ肺がん患者の実態調査
課題の概要 院内がん登録情報から無作為に抽出された肺がん患者の診断時胸部CT画像情報から、救済制度の認定基準の胸膜プラークの有無を判定することで、救済制度認定基準を満たす石綿による肺がん患者がどれだけの割合でいるのかを推計する。また、医療施設の特徴や地域ごとに石綿による肺がん患者の分布の特徴を把握する。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 脳神経外科 加藤 徳之
課 題 高齢慢性硬膜下血腫に対する穿頭術の有効性及び安全性に関する後方視的観察研究:再発率・治癒率・合併症率の検討
課題の概要 慢性硬膜下血腫は軽度の外傷等を契機に硬膜外腔に血球成分を含む液体が貯留する、脳神経外科領域で最も一般的な疾患である。現在一般的に行われる治療は穿頭術であるが、根本的な病態が分かっておらず、そのため術後再発率は10%程度と比較的高いことが特徴である。
近年、日本人口の高齢化に伴い、80代以上の患者の割合が、DPCデータをもとにした報告によると、45.3%と高齢患者が増えてきている。日常臨床ではすでにそういった高齢患者も穿頭術が行われることが多いが、高齢患者へ治療成績はエビデンスが蓄積されておらず、その有効性や安全性は現状では不明である。
そこで当院の過去の治療データを用いて、慢性硬膜下血腫の穿頭術後の再発率、治癒率及び合併症率を後方視的に検討し、穿頭術の有効性および安全性を明らかにするのが本観察研究の目的である。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 脳神経外科 平田 浩二
課 題 茨城県における急性期脳主幹動脈閉塞に対する血管内治療の実態後ろ向き調査 Registry of Ibaraki endovascular Consortium for acute major VEssel Occlusion and Reperfusion therapY [RICOVERY]Retrospective study
課題の概要 主任研究者・研究事務局の変更申請
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 外科 稲毛 芳永
課 題 降下性壊死性縦隔炎の発生と治療法および予後に関する観察研究
課題の概要 日本気管食道科学会と日本呼吸器外科学会の多施設共同研究として、本邦における降下性壊死性縦隔炎症例の過去5年分の症例を調査・分析し、その病態、診断、治療、予後などのデータベースを構築する。本データベースを基に、本邦における降下性壊死性縦隔炎診療の実態を把握し、一定の治療指針を示すことを目的とする。
本研究は、侵襲や介入を伴わない、情報のみを用いる後ろ向き観察研究である。したがって、予めオプトアウトとして情報を通知・公開し研究参加者が拒否できる機会を保障する。
登録患者の氏名は、データセンターへ知らされることはなく、登録患者の同定や照会は、登録時に発行される症例登録番号を用いて行われ、患者名など、第三者が患者を識別する情報がデータセンターに登録されることはない。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 救急科 安田 貢
課 題 低体温症患者の医学情報等に関する疫学調査
課題の概要 本研究は、低体温症の全国規模の実態調査であり、日本救急医学会熱中症に関する委員会を研究の主管とする。対象期間に水戸医療センター救命救急センターで低体温症と診断された患者について、「低体温症に関する全国調査」の調査用紙の各項目を入力する。日本救急医学会に登録された他の医療機関で低体温症と診断された患者の情報とともに解析して、病態や治療の現状を把握し、発生の予防に向けた地域医療へのアプローチを検討する。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 6救急科 堤 悠介
課 題 日本外傷データバンクを用いた深層学習による新たな生存率予測モデルの開発についての研究実施計画書
課題の概要 外傷患者の解剖学的損傷度に基づく生存率予測モデルとしてInjury Severity Score(ISS)があるが、これは1974年に開発されたもので、現代の状況にはそぐわない可能性があると同時に、厳選した損傷を用いた重症度スコアのため、精度が低い可能性がある。近年、深層学習をはじめとする機械学習が一般化したことで、数多くの情報を効率的に分析し、そこから診断・予後を予測することが可能となった。そこで今回、深層学習を用いて、ISSのように厳選するのではなく、ほぼ全ての損傷情報を用いて予後を予測するモデルを開発することを目的として今回の研究を行う。
判 定 条件付承認
修正後の書類を提出することを条件に承認とする。
申請者 7階東病棟看護師 佐藤 奈緒美
課 題 脳外科病棟におけるPNS導入後の評価 ~現状の把握と今後の課題の明確化~
課題の概要 当病棟では、超過勤務時間が多いという問題点があり、2016年7月からPNSを導入した。しかし、PNS経験者がいない状態での導入であり、導入に向けた勉強会や文献の準備もないまま現在まで継続されている。PNSのメリットとして、橘ら1)は、安全・安心な看護の実践として、「2人で行うことで看護師への負担感が軽減され、ケアもスムーズに効率よく終えることができる。患者にとっても、2人で行ってくれるので時間も短縮され、患者、看護師共に安心して、安全に処置や看護ケアを行うことができる。そして時間的にも効率化を図ることができる。」と述べている。当院でPNSを実施している病棟は、当病棟のみであり、PNS経験者もいない状態での導入であったため、病棟スタッフのPNSに関しての知識不足も否定できない現状である。本研究では、スタッフのPNSに対する理解を知り、勉強会を行うことでスタッフのPNSに対しての理解の変動があったのか現状を明らかにする。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。