倫理審査委員会

倫理審査委員会 令和元年09月11日(水)

審議内容

申請者 血液内科 吉田 近思
課 題 前向き観察研究に登録された骨髄異形成症候群における、同種移植までの橋渡し治療と移植成績の検討
研究の概要 日本成人白血病治療共同研究グループ(JALSG)が主導する観察研究(CS11研究 2011年~2016年に実施)に登録された70歳以下の「芽球増加を伴う不応性貧血(MDS-RAEB/EB)」症例における、診断後に行われた治療別の奏効率および移植のアウトカムを検討する。また、移植が行われなかった症例においても同様の調査を行う。それにより同種移植までの橋渡し治療別の治療奏効率と移植成績、および診断後治療による有害事象等で移植を断念せざるを得なくなった事由等から、骨髄異形成症候群における同種移植までの最良の橋渡し治療を明らかにする。
調査方法:オンラインによるアンケート調査(別紙)。当院予定調査症例6例程度。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 リハビリテーション科 木村 匠吾
課 題 急性期脳卒中患者における栄養と自宅退院への可否調査
研究の概要 急性期脳梗塞患者の栄養状態が日常生活動作や自宅退院の可否に影響があるか調査する。対象は2018年4月から2019年3月までに当院でのリハビリテーション依頼のあった脳梗塞患者を対象とし、在院日数14日未満、死亡退院患者及びデータ欠損患者を除外する。その対象者のうち入院時の血清アルブミンと退院時の血清アルブミンを比較した2群に分け自宅退院の可否に関係があるか調査を行う。
判 定 条件付承認
修正後の書類を提出することを条件に承認とする。
申請者 外科 森 千子
課 題 ヒトリンパ球浸潤の多い癌における免疫学的背景の解明
-fibroblastic reticular cellの分布、およびそれに発現されるケモカインCCL21の解明
研究の概要 本研究は、手術摘出となったヒト癌の病理標本を用いての、後ろ向きの研究である。すでに当院の倫理委員会で承認されたこれまでの研究テーマを、同じ方法で拡大したものである。目的は、病理標本の腫瘍免疫学的解析にある。症例は、水戸医療センター例が中心となり、乳癌、胃癌などの消化器癌、耳鼻咽喉科領域癌などを用いる。解析にあたっては、患者の匿名化を行う。発表に際しては、個人情報の保護に万全を尽くす。また、ゲノム解析は含まれない。したがって患者個別の同意は求めない。ヒト癌の免疫学的解析は、病理の分野で立ち遅れている分野であり、この点での進展が大きく求められている。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 救急科 安田 貢
課 題 熱中症患者の医学情報等の即日登録による疫学調査(Heatstroke STUDY2019)
研究の概要 本研究は、熱中症の全国規模の実態調査であり、日本救急医学会熱中症に関する委員会を研究の主管とする。対象期間に帝京大学医学部附属病院高度救命救急センターで熱中症と診断された患者について、「熱中症に関する全国調査」の調査用紙の各項目を入力する。日本救急医学会に登録された他の医療機関で熱中症と診断された患者の情報とともに解析して、病態や治療の現状を把握し、発生の予防に向けた地域医療へのアプローチを検討する。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 循環器科 山田 優
課 題 高齢心疾患患者の実態調査:多施設共同研究
研究の概要 研究責任者の変更申請
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 放射線科 大曽根 敏彰
課 題 X-CAREを併用した頭部3D-CTAにおける前面部血管抽出能の評価
研究の概要 「当院に設置されているCT装置には、前面部被ばく線量低減機構(以下、X-CARE)が搭載されている。しかし、前面120度の出力線量を低下させることで前面部の被ばく線量を低減させることから、頭部3D-CTAにおいてX-CAREを併用した場合、前面部の血管抽出能に影響を与える可能性がある。本研究はX-CAREを併用した際、頭部前面における血管抽出能に与える影響を自作頭部模擬血管ファントムを用いて撮影し、診療放射線技師による視覚評価を行い評価することを目的とする。
判 定 条件付承認
修正後の書類を提出することを条件に承認とする。
申請者 臓器移植外科 湯沢 賢治
課 題 腎代替療法の情報提供における腎移植に関する情報提供ツールの使用と改良
研究の概要 これまで血液透析の導入に際し、腹膜透析と腎移植の説明がされておらず、日本では血液透析が極端に多くなっていた。このため、平成30年度の保険診療報酬改定において、私が日本移植学会代表として中医協に働きかけ、末期腎機能障害患者に腎代替療法を説明する時に、腹膜透析と腎移植についての情報提供が行われれば診療報酬が支払われることとなった。
具体的には、4学会が作成した小冊子を用いて、腹膜透析と腎移植について十分に説明することで、診療報酬が支払われる。しかし、この小冊子の内容は不十分であり、十分な説明が行われてはいない。このため、昨年度の本研究費で、県内の血液透析施設にアンケート調査を行い、腎替療法について十分な情報提供が行えるタブレットコンピューターを用いた情報提供ツールを開発した。しかし、予算が限られたため1施設にしか配布できなかった。
今年度は多くの研究費を得て、情報提供ツールを県内全ての血液透析施設に配布し、腹膜透析と腎移植の後進県である茨城県での腎代替療法の情報提供に役立たせ、更に、各施設からの使用した感想を集め、改良し、最終的には腎移植の普及につながる体制作りに資することを目的とする。
判 定 条件付承認
修正後の書類を提出することを条件に承認とする。
申請者 企画課 岩崎 桂介
課 題 院内がん登録とDPCを使ったQⅠ研究 2017年症例
研究の概要 院内がん登録とDPCのEFファイルを使って一定の標準診療実施率を算定する。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 呼吸器科 遠藤 健夫
課 題 特発性肺線維症に対するニンテダニブの治療効果および有害事象と各種免疫担当細胞との相関を調べる観察研究
研究の概要 分担医師の変更申請
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 呼吸器科 遠藤 健夫
課 題 フェノタイプ・エンドタイプに着目した本邦の喘息患者における3年間予後の検討
研究の概要 分担医師の変更申請
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 看護部 川﨑 茜
課 題 白衣からカラースクラブへ変更したことによる看護師にもたらす心理的効果と患者にあたえる印象の変化
研究の概要 当院では、今年度から2色のカラースクラブが導入された。以前、白衣のデザインのみが変更となったときには、看護師間での白衣に対する話題は少なかった。しかし、今回の白衣からカラースクラブが導入されたことに対しては大きな反応があった。そのことから、白衣からカラースクラブへ変更になることは、看護師の中で、仕事に対する心理的変化が大きいのではないかと考えた。そこで、白衣からカラースクラブになったことにより看護師にどのような心理的効果があったのかを検討したいと考え研究に取り組んだ。また、白い色には「冷たい、無機質」という印象があり、実際に「病院で白衣を着た看護師さんを目の前にすると緊張して血圧が上がっちゃうのよね。」といった言葉を患者から聞く事もあった。今年度より導入されたラベンダーには知性や気品、エレガントなど女性らしさを印象付け、ネイビーには堅実で誠実、信頼のイメージを与えるといわれている。そのことから、白色からカラースクラブへ変更したことによる、看護師がもたらす患者への印象の変化について研究したいと考える。
判 定 条件付承認
修正後の書類を提出することを条件に承認とする。
申請者 看護部 冨山 明日香
課 題 救命救急センターにおける退院支援の質向上に向けた退院支援の在り方
~救命救急センターと後方病棟の実態を比較して~
研究の概要 平成28年度の診療報酬改定により「病院から在宅へ」という動きが進んでおり、退院調整機能はなくてはならないものとなっている。当救命救急センターでも、入院時に退院支援に関して患者・家族に情報収集をするようにしているが、緊急入院という状況の中で、患者・家族が退院後の生活を想像していくことは困難である。先行研究では、「急性期病棟での退院支援開始の遅れを痛感していた」と述べている。入院時より退院後の生活を考え情報収集を行っているが、その情報が病棟で活かされているのか、不足なことがあるのかを明らかにする。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 栄養管理室 比嘉 並誠
課 題 施設間・地域連携が必要な疾患の急性期(一般)病棟における栄養管理
~エビデンス構築のための全国調査~
研究の概要 一定期間のリハビリテーションが必要な疾患である脳血管・心臓・運動器・呼吸器疾患について、一般病棟入院中の栄養状態・栄養管理の実態を全国調査で明らかにし、具体的な栄養素等の量を提示することによって、一般病棟に於ける目標栄養量等を設定する際の参考資料として活用できる。また、早期から目標栄養量等を設定することで、退院や転院後の低栄養に陥るリスクを低減することも可能となる。本研究は、国立病院管理栄養士協議会のネットワークを活用することで、全国調査を可能にしており、新規性、独自性の面からも価値のある研究と考える。
判 定 条件付承認
関連する科の医長、病棟師長の許可を取ることを条件に承認とする。
申請者 看護部 二階堂 李奈
課 題 夜勤業務を行う看護師のストレス要因とその対処方法
研究の概要 対象病棟は血液内科と耳鼻咽喉科の混合病棟であり、夜勤業務をシフトとして働く看護師、夜勤業務のみを働く看護師がいる。夜勤におけるストレスは経験年数に関わらず急変の可能性があること、心理的・身体的ストレスが高いと考えられている。夜勤業務を行うにあたり、どのような場面でストレスが生じるのか、またストレスに感じる業務は何か、ストレス要因の有無や内容とその対処方法を明らかにしたいと考えた。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 放射線部 井田 正博
課 題 脳虚血超急性期におけるマルチパラメトリックMRIの有用性
研究の概要 脳虚血超急性期には、中心部に不可逆的な変化に陥った領域(ischemic core)とその周囲に広がる軽度の虚血領域がある。Diffusion-perfusion mismatch(DPM)、すなわち灌流異常を認めるも拡散異常がまだ出現していない領域内に、ペナンブラが存在するとされている。脳虚血超急性期におけるマルチパラメトリック「DWI(非可逆的組織障害検出)・FLAIR(皮質枝閉塞)・SWI(塞栓子の原因とMisery perfusion)・T2WI(陳旧性脳梗塞、急性期脳出血)・MRA・ASL(脳血流量)・造影灌流画像(循環予備能の評価)」を施行することにより、最適な抗血栓療法(血栓溶解や血栓回収)の選択、最終梗塞の予後予測評価を目的とする。
判 定 条件付承認
修正後の書類等を提出することを条件に承認とする。
申請者 看護部 小瀬 健司
課 題 心臓カテーテル検査後の安静保持に関する実態調査と介入方法の検討
研究の概要 当病棟では、心臓カテーテル検査の前日に検査を受ける患者に対して、オリエンテーションを行っている。しかし、検査後の安静の保持ができない患者が多い状況である。昨年度の調査研究結果では、割合として中年期患者が最も多かった。しかし、昨年度は割合の現状調査のみで要因分析まではできなかった。今年度は年代別で要因分析をし、検査後の安静保持が行えるよう対象に合った介入方法の検討、改善策の立案をし、より良い看護に活かしていきたいと考えた。
判 定 その他
申請書、研究計画書、研究協力の依頼等の内容に疑義・確認を必要とする
申請者 薬剤部 田部井 彰
課 題 がん化学療法に対するペグフィルグラスチム(ジーラスタ®)併用における発熱性好中球減少症発現率に関する観察研究
研究の概要 がん化学療法に対するペグフィルグラスチムの投与タイミングが発熱性好中球減少症発現率に与える影響について明らかにする。
水戸医療センターにおいて、ペグフィルグラスチムを投与した患者を対象とし、患者背景、ペグフィルグラスチムの投与タイミング、ペグフィルグラスチムの投与目的、FN発症の有無、レジメン、相対用量強度、有害事象、臨床検査値について、電子カルテを用いて調査する。
判 定 条件付承認
追加書類を提出することを条件に承認とする。