倫理審査委員会

倫理審査委員会 令和02年07月08日(水)

審議内容

申請者 臓器移植外科 湯沢 賢治
課 題 AMED研究「遺伝子関連情報を基軸にした効率的免疫抑制管理による革新的長期管理ロジック開発」におけるHLA抗体検査実態調査
研究の概要 豊富な経験をもつ一握りの移植医によって行われている現在の移植患者管理を普遍的にするためにAMED研究「遺伝子関連情報を基軸にした効率的免疫抑制管理による革新的長期管理ロジックの開発」研究を行う。この中で、移植臓器の長期生着に関わり抗体関連型拒絶反応を引き起こすドナーに対する抗体の検査が平成30年より保険で認められたことを受け、本研究ではその実施状況を調査し、長期成績に関わる抗体関連の因子を明らかにして、抗体検査とその対策を長期管理ロジックに組み込む。
判 定 条件付承認
修正後の書類を提出することを条件に承認とする。
申請者 救急科 安田 貢
課 題 茨城県における新型コロナウイルス陽性者の解析
研究の概要 2020年6月末、全世界での新型コロナウイルス(以下、SARS-CoV-2)陽性患者は900万人を超え、茨城県は2020年3月に最初のSARS-CoV-2陽性者を確認して以降、168名の感染者が県内で認められている。
2020年6月の時点で茨城県は、入院患者のべ143人と77人の宿泊・自宅療養陽性患者の重症度、重症化危険因子、基礎疾患との関係を医学統計学的に解析し、二次流行への備えや県民への注意喚起を可能とするものである。茨城県内参加医療機関で後ろ向きと前向きに2020年3月1日以降、確認されたSARS-CoV-2陽性患者を対象にデータベースを構築し、危険因子などを解析する。
感染者の危険因子などを解析し明らかにすることは、今後の茨城県民の安心・安全や地域、県内医療機関において大変有用であると考えられる。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 救急科 土谷 飛鳥
課 題 中等から重症外傷疾患に対する病院生存退院後の24ヶ月長期予後(自然史、QOL、社会復帰)の追跡および電子媒体による長期予後取得:パイロット研究
研究の概要 中等症や重症外傷の患者さんは、退院後どのように回復して社会復帰していくのか、またその後の生活の質が何によって変わるのかを調査する研究です。医療や外傷診療システムの進歩により、外傷患者さんの病院内死亡率は年々低下している反面、長期的な後遺症から社会復帰できない、というもう一つの大きな健康問題が生じています。同時に、外傷患者さんの長期予後、すなわち受傷後1~2年後の生活の質(QOL;Quality of life)、どのような経過を辿って回復していくのか(自然史)、社会復帰できる割合などは未だ十分に解明されていません。臨床情報と患者さんの長期予後情報を合わせて検証する事で、患者さん一人一人に合わせた最適な退院後医療を提供することも可能となるかもしれません。特に超高齢社会である日本において、外傷患者さんの長期予後・自然史は社会的にも大きな問題となり、これから高齢化を迎える世界の先駆であるという意味でも重要な課題です。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。