倫理審査委員会

倫理審査委員会 令和04年09月14日(水)

審議内容

申請者 整形外科 小川 健
課 題 日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究
研究の概要 大規模運動器疾患データベースを構築されることには以下のような意義がある。すなわち、1)運動器疾患に対する手術治療に関するビッグデータに基づいたエビデンスの構築、2)外科系学会社会保険委員会連合(外保連)試案の実態調査、製造販売後調査(PMS)、新規医療技術の評価、重点的に対応すべき運動器疾患と手術法の提言など、さまざまな政策対応が可能などである。また、本領域では人工関節、骨固定材料など種々の体内埋込型インプラントを用いた手術が多く、その実施状況とアウトカムに関する情報は、国民健康向上の観点に加え、医療経済上も極めて重要と考えられる。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 リハビリテーション科 矢野 博義
課 題 人工呼吸器患者におけるICU内での身体活動量と退院時日常生活活動自立との関連性を明らかにする多施設コホート研究
研究の概要 ICUにおける早期リハビリテーションの身体活動量と強度、介入時間と退院時ADL自立との関連を検証するため、日本国内における多施設観察研究を実施する。人工呼吸器にて48時間以上管理され、初めてICUに入室した患者を対象とし、ICU入室中の身体活動量調査(ICU入室から退出までの日々の身体活動量調査)し、ICU入室中の身体活動量が人工呼吸器患者の退院時activity daily living(ADL)自立にどのように影響するのかを検討する。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 呼吸器科 遠藤 健夫
課 題 フェノタイプ・エンドタイプに着目した本邦の喘息患者における3年間予後の検討
研究の概要 研究計画書および説明文書・同意文書の変更申請
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。
申請者 臨床研究部 湯沢 賢治
課 題 日本の臓器移植患者における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の実態把握のための多施設共同レジストリ研究
研究の概要 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はSARS-CoV-2ウイルスにより引き起こされ、2019年末の中国・武漢での最初の報告後、瞬く間に世界中に拡散し、2021年12月19日現在、世界中で273,668,314人が感染し、そのうち約2.0%が死亡する極めて致死率の高い新興感染症となっています。主に発熱、呼吸器症状により発症し、日本においても1,728,701人がこれまでに感染、約1.6%が重症の肺炎を発症し、約1.0%の方が死亡されています。パンデミックから2年が経過し、ワクチンや治療薬、支持療法が確立してきましたが、変異株などの影響で未だ収束の目途が立っていないのが現状です。COVID-19の重症化因子として、高齢者、肺・腎臓・心臓など基礎疾患のある患者、肥満、喫煙などが挙げられていますが、なかでも臓器移植を受けられた方は免疫抑制剤の影響から、入院が必要となる割合が一般人と比較して高いと言われています。また、日本における移植の状況は諸外国と大きく異なり、生体移植が多く、大多数が同一人種間の移植であり、更に国民皆保険制度を含めた医療社会的背景により、生着率及び生存率は極めて良好となっています。そのため、日本における臓器移植患者のCOVID-19に関わるリスクは諸外国と大きく異なる可能性があるため、長期的な追跡による実態調査により、本邦で臓器移植後にCOVID-19に罹患された患者さんが受けた治療の実際、予後、後遺症などを把握し、COVID-19の診療ならびに今後の新興感染症対策に活かすことができます。
判 定 承認
本審査は、迅速審査にて承認された。