麻酔科

手術の前に

安全な麻酔のために守っていただきたいこと

絶食・絶水

 胃の中に食べ物や水分が残っていると、麻酔中に吐いてしまって、気管の中に入ることがあります。 このようなとき、重い肺炎を起こして、命を落とす危険性があります。
 麻酔を開始する前の一定時間は、食べたり、飲んだりしないように指示がありますので、必ず指示を守るようにしてください。

たばこ

 たばこを吸っている方は、手術の後に咳や痰が多くなります。そのため、肺炎を起こしやすくなり、傷の痛みも強くなります。
 手術が決まったらすぐに禁煙してください。

※風邪をひいて高熱が出たときなどは、手術が延期や中止になることがあります※

麻酔科医が診察します

 患者さんの中にはさまざまな疾病を抱えている方がいます。手術によってはこのような合併症が増悪する場合があり、ときに致命的になることさえあります。そこで麻酔科医は、手術前までに患者さんの情報を全て把握して、合併症の増悪が生じないように万全の体制で手術に臨んでおります。

術前診察

 術前診察は、麻酔科医が手術前の患者さんのコンディションを整え、麻酔法や鎮痛法を選択するときに必要な情報を得るために行います。

診察でよく伺う質問事項

*心臓や肝臓、腎臓、肺、脳などの重要な臓器に持病があるか
*現在常用している薬があるか(血圧を下げる薬、糖尿病の薬、血が固まりにくくなる薬、ステロイドなど)
*喘息の病歴があるか
*鼻血や出血が止まりにくいかどうか
*アレルギー体質があるかどうか
*最近、予防注射を受けたかどうか
*患者さんご自身やご家族に悪性高熱症の疑いがあるか
*グラグラしている歯や弱い歯があるか。または義歯をつけているか。
*首を曲げると肩や腕にしびれを感じるか
*顎を大きく開けることができるか
*会話や耳が不自由か
*最近、目の手術(白内障や緑内障)を受けたか
*妊娠しているか

術前補水食の導入について

 当院では全身麻酔手術を控えた患者さんに対して、術前の補水を積極的に導入しております。
 手術直前まで体内への吸収が速やかである飲み物を提供することで、のどの渇き、不安感を大幅に軽減することができます。同時に炭水化物、アミノ酸を摂取できますので当日の空腹感の軽減や手術後の早期回復に役立つと考えています。
 麻酔科は患者さんが手術直前まで、できるだけ日常と変わらぬ状態で手術に臨めるように取り組んでおります。